2011年4月6日水曜日

涙を忘れない

地震・津波から1ヶ月近くが経ちました。
ずいぶんブログを更新していませんでしたが
この間、毎日泣いてました。

思えば、16年前の神戸の大地震の時も、毎日テレビを見ては泣いてました。
被災地の変わり果てた姿を見て泣き、毎日増え続ける死者の数を見て泣き、
海外や国内各地からの支援の姿を見て泣き、
被災した方々が懸命に生き続けようと困難に立ち向かっている姿に泣き、
ほんとに泣いてばかりでした。

先日、台湾の友人から電話をもらって、日本における地震の対策の
話をしているときにいろいろと思い出しました。

あの時、総理大臣がうまく指示が出せなかったこと。
自衛隊を投入するのをためらって、時間がかかったこと。
海外からの支援隊を受け入れるのがスムーズにできなかったこと。
米軍の支援の申し入れを断ったこと。
大きな火事が発生したのに、為す術がなかったこと。
・・・

今は
緊急地震速報というシステムがあって、多くの携帯からマナーモードに
なってても一斉にサイレンがなるんだよ、
新幹線も地震が来る前にブレーキをかけるんだよ、
自衛隊もすぐに助けに入れるようになってるんだよ、
ハイパーレスキューっていう救助のプロフェッショナルたちがいて
がれきの中から人を探し出すんだよ、
DMATっていう医療チームが全国にあってみんな駆けつけるんだよ、
ガスコンロもストーブも、およそ火が出るものはすべて
地震がきたら止まるように出来ているんだよ、
だから「地震がきたら火を消せ」という指示じゃなくなって
「頭を守れ」「逃げ道を作れ」になったから
地震が来たら日本人は猛然と窓をあけたりドアを開けたりするんだよ、
学校では子供たちが地震がきたら数秒で机の下にもぐれるように
いつもいつも訓練してるんだよ、
政府も地方政府も、あらゆるところにいろんなものを貯めて持ってるけど、
みんな少しずつは飲み物も食べ物も家に貯めとくように言われてるんだよ、
会社は社員が歩いてでも帰れるようなヘルメットや飲み水や
家までの地図を用意して訓練したりしてるんだよ、
コンビニやスーパーの人たちは、なるべく早くお店を開けると
被災地の人が元気になるから必死になるんだよ、
日本にはおにぎりというソウルフードがあって、
辛いときはおにぎり食べると元気になるから
まずはヘリコプターでもなんでも使って
被災地におにぎり届けるんだよ、
・・・

もちろん、今回新しく問題が生じたこともありますし、
16年前の教訓が生かされていないこともあるんでしょうが
多くの、僕と同じような普通の日本人たちが、
役人や自衛隊員やエンジニアや商人やメーカーの人や
先生や普通の市民たちが
僕と同じように泣いて、あるいはその涙を忘れずに
あの時の失敗を、うまくいかなかった思いを繰り返したくないと
必死に頑張り続けて地震に対する備えを続けてきたのでした。

僕は、泣いてるだけでした。
当時僕は大学生で、友人たちは被災地の支援に行ったり、
東京で物資を集めて送り出したりしている人もいましたが
僕はわずかばかりのお金を寄付させてもらっただけでした。
今でも、本当に悔やんでいます。

今回こそは、泣いてるだけじゃダメだと思っています。
次は、何をする?
僕の人生に課せられた、テーマだと思っています。